幸福の科学学園って信者しかいないの? ドミンゴの息子エミールが話題に

2025年7月16日、第107回全国高校野球選手権栃木大会で注目の一戦が繰り広げられた。

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幸福の科学学園が那須清峰を9―4で破り、2回戦を突破。この試合で一際目立っていたのが、中日ドラゴンズなどで活躍した元助っ人・ドミンゴ・グスマン氏の息子、エミール・セラーノ・プレンサ選手である。

「4番・中堅手」として出場したエミール選手は、5打数3安打4打点と大暴れ。最速145km/hの速球を持つ投手でもあり、まさに「二刀流」の逸材だ。

このニュースを受け、「幸福の科学学園って信者しかいないの?」「なぜドミニカの選手が?」といった声がネットでも多く上がっている。

今回は、そんな幸福の科学学園の内情と、注目の“ドミニカ留学生”コンビについて、詳しく掘り下げてみたい。


目次

◆幸福の科学学園とは?―“神の学校”に通う生徒たち

幸福の科学学園は、宗教法人「幸福の科学」によって設立された私立学校で、栃木県の那須校と滋賀県の関西校の2校を展開している。「地球神エル・カンターレ」と称される故・大川隆法氏の思想をベースに、宗教教育を含む独自のカリキュラムが行われている。

建学の理念は、宗教的価値観と学問の両立。生徒たちは一般教科に加え、教団の思想を学ぶ「宗教の授業」も履修する。

では、通っている生徒は全員信者なのか?

結論から言えば、ほとんどが信者家庭の子供である。しかし、100%とは限らない。教育内容に共感する非信者家庭の受験者も一部存在するが、割合はごく少数とされる。特に近年では、定員割れの影響から学校側が「非信者でも歓迎」姿勢を見せ始めているといった報道もある。


◆「ドミニカ留学生」はどうして生まれたのか?

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今回の試合で話題をさらったのは、エミール・セラーノ・プレンサ選手(3年)と、同じくドミニカ出身のユニオール・エルイン・ヌニエス・ジャケス選手(3年)。実は彼らは「ドミニカ留学生制度」の一環で来日し、幸福の科学学園に在籍している。

この制度が始まった背景には、かつて中日ドラゴンズで外国人選手の発掘に尽力した森繁和氏の存在がある。森氏は現在、幸福の科学学園の特別コーチを務めており、「中日時代にドミンゴの息子を知っていた」という縁から、エミールの留学が実現した。

つまり彼らは、**野球の才能と甲子園への憧れを持つ“野球留学生”**であり、必ずしも信仰を目的とした入学ではないのだ。


◆言葉の壁も越えて―成長するエミール

エミール選手はドミニカ出身で、来日当初はスペイン語しか話せなかった。だが、彼は1年あまりで日本語を習得。現在では、チームメイトに「切り替えていこう!」と声をかけるなど、積極的なリーダーシップを見せている。

日本の寿司が大好物という一方で、納豆にはまだ苦戦中とのこと。父・ドミンゴ氏とは毎日電話で連絡を取り、「良いスイングをして、甘かったらホームランを狙え」とのアドバイスを受けているという。


◆それでも不安残る「信者離れ」――定員割れの現実

近年、幸福の科学学園は深刻な定員割れに直面している。

文部科学省のデータを元にした調査によれば、2019年度の高校1年生は那須校が定員の74%、関西校は79%と、大幅な定員未達となった。また、入学後も中退や転校が多く、学年が上がるにつれて生徒数が1割以上減少するケースも確認されている。

かつては、信者家庭の子どもたちの“信仰の学び舎”として安定していた同学園だが、今では信者家庭の間でも入学を避ける傾向が強まっていると言われる。これは「信者の学園離れ」とも言われ、教育の質や将来の進学・就職の不安、宗教色の強さへの懸念などが背景にあるとされる。


◆HSUから大学認可へ? 幸福の科学大学の未来

幸福の科学学園の高校卒業後の進路として、千葉県に設立された無認可の「ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ(HSU)」が存在する。2015年から開校されているが、文科省の認可がないため学歴にはならない

現在、教団はこのHSUを「幸福の科学大学」として正式認可させるため申請中で、2025年夏には審査結果が出る見込みだ。

しかし、仮に大学が認可されたとしても、定員300人に対して学園からの進学者は毎年100〜150人程度に留まり、継続的な運営が危ぶまれている。また、「HSUに通っていた学生が再度大学1年生からやり直す」ことになるため、経済的・精神的な負担が大きい。

宗教大学としての方向性や、教育内容に対する世間からの懸念も多く、たとえ認可されたとしても、持続的な人気と信頼を得るには高いハードルがある。


◆宗教とスポーツの融合は成功するか?

エミール選手やユニオール選手の活躍は、幸福の科学学園の知名度を一気に押し上げた。彼らは信者ではない可能性が高く、宗教教育の枠に縛られることなく、純粋に「野球をやるため」に来日している点で注目される。

つまり、宗教に閉ざされた学校に“外の風”が入ったことで、新たな変化が生まれつつあるのだ。

幸福の科学学園は今、宗教教育と実力主義のスポーツ教育の両立という、難しい課題に直面している。しかしエミールたちのような「象徴的存在」は、信者でも非信者でも関係なく、夢や努力が尊重される場所である可能性を示している。


◆まとめ:幸福の科学学園は今、大きな転換点にいる

幸福の科学学園は、信者だけの学校から脱却しようとしているのかもしれない。宗教的理念のもとに設立された学園は、現在、生徒数減少・信者離れ・大学認可問題という三重苦を抱えている。

しかし、野球という“普遍の情熱”を軸に、世界から才能ある若者を受け入れる姿勢は、閉鎖的なイメージを払拭する可能性を秘めている。

甲子園という夢舞台に向かって邁進するエミール選手と幸福の科学学園。今後、彼らのプレーが、学校そのもののイメージをも変えていくかもしれない。

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