近年、暗号資産を狙った特殊詐欺事件が相次いでいます。
その中でも大規模な被害をもたらしたとされるのが、いわゆる「トクリュウ」と呼ばれる匿名・流動型犯罪グループによる投資詐欺事件です。
2025年8月、愛知県警はこのトクリュウの一員とみられる 深澤加瑞磨(ふかざわ かずま)容疑者(31) と 齋藤光太(さいとう こうた)容疑者(30) を逮捕しました。
報道によれば、彼らはSNSで女性になりすまし、恋愛感情を利用して被害者から暗号資産をだまし取ったとされています。
本記事では、深澤加瑞磨・齋藤光太両容疑者の顔画像や勤務先、所属していたとされる「トクリュウ」について、そして今後の捜査の焦点である余罪についてまとめていきます。
深澤加瑞磨・齋藤光太 逮捕の概要
今回の事件は、宮崎県在住の45歳男性が被害に遭ったことから発覚しました。
警察によると、両容疑者はSNSで女性になりすまして被害者に接触し、親密な関係を装った上で「私の言う通りにすれば確実に利益を得られる」と甘言を用いて投資話を持ちかけ、約125万円分の暗号資産をだまし取った疑いが持たれています。
警察は愛知県警サイバーパトロールの捜査で不審な動きを検知し、事件が明るみに出たとしています。
さらに重要なのは、この事件が単なる個別詐欺ではなく、全国規模で組織的に行われていた可能性が高いという点です。
調べによれば、このグループは 200件以上、総額約68億円 にのぼる詐欺に関与した疑いが持たれており、その中心的な存在が「トクリュウ」だとされています。
深澤加瑞磨と齋藤光太の顔画像
報道各社では、両容疑者の送致時の映像や写真が公開されています。
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深澤加瑞磨容疑者は、眼鏡をかけた姿で報じられており、社会人としての風貌を感じさせます。
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一方の齋藤光太容疑者は、比較的若々しい印象で、マスク姿や横顔が映し出されていました。
SNS詐欺の加害者は匿名性を利用しているため、顔が明らかになることで被害者にとっては「実在する人物に騙された」という現実が突きつけられた形となります。
勤務先の会社はどこ?
現時点で、両容疑者の勤務先会社名は報道で明らかにされていません。
いずれも「東京都内の会社員」とされていますが、詐欺に利用されていたのが SNS・暗号資産取引 という新しい領域であることから、勤務先とは別に副業的に、あるいは裏稼業として関わっていた可能性が高いとみられています。
投資詐欺の多くは「副業サークル」「投資コミュニティ」「人材紹介会社」などを装った組織から発生していることが多く、勤務先を偽装するケースも少なくありません。
警察は今後、両容疑者の勤務先企業についても調べを進め、会社として関与があったのか、それとも個人の不正行為だったのかを解明するとみられます。
トクリュウとは何か?
今回注目されている「トクリュウ」とは、匿名・流動型犯罪グループの略称です。
特徴は以下の通りです。
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役割分担制:実行犯・受け子・指示役などが分業されており、互いに面識を持たないケースが多い。
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SNSの悪用:被害者との接点はSNSで、女性を装って恋愛感情を利用する「ロマンス詐欺」的な手口が多い。
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暗号資産での送金:現金ではなく暗号資産を利用するため、追跡が困難。
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流動性の高さ:メンバーは入れ替わりが激しく、摘発を逃れる仕組みが構築されている。
警察庁も近年、特殊詐欺の進化系として「トクリュウ」に強い警戒を示しており、今回の事件はその実態解明に大きな一歩となりそうです。
余罪の可能性
報道によれば、このグループは全国で200件以上の被害を出しており、総額は 約68億円から70億円 にも及ぶとみられています。
つまり、今回の宮崎県の被害者は氷山の一角に過ぎないということです。
警察は今後、両容疑者が直接関わった被害件数や金額を調べるとともに、グループ全体の指揮系統や資金の流れを追うとみられます。
暗号資産は追跡が難しいとされますが、ブロックチェーン解析技術が進歩しており、資金の行方が解明される可能性もあります。
世間の反応
SNS上では今回の事件に対して、以下のような声が多く見られます。
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「恋愛感情を利用するなんて卑劣すぎる」
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「暗号資産を狙った詐欺は増えているから、もっと注意喚起してほしい」
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「トクリュウの摘発は氷山の一角だろう。まだ潜んでいるグループがあるはず」
暗号資産は将来性のある金融商品である一方、規制や理解が追いついていない部分が多く、詐欺グループにとっては格好の標的となっています。
まとめ
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逮捕されたのは東京都の会社員、深澤加瑞磨(31) と 齋藤光太(30)。
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SNSで女性になりすまし、宮崎県の男性から125万円相当の暗号資産を詐取した疑い。
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所属していたのは「トクリュウ」と呼ばれる匿名・流動型犯罪グループで、全国で 200件以上・総額約68億円 の被害に関与か。
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勤務先の会社については現時点で不明。今後の捜査で解明される可能性あり。
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余罪も多数存在する見込みで、警察は組織全体の実態解明を進めている。
暗号資産を利用した投資詐欺は今後も増加する恐れがあるため、「簡単に儲かる」「確実に利益が出る」といった甘い誘いには十分注意する必要があります。
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