プロ麻雀界を代表する名雀士・前原雄大(まえはら ゆうだい)さんが2025年10月12日に亡くなりました。享年68歳。
その訃報は10月15日、日本プロ麻雀連盟の公式X(旧Twitter)を通じて発表され、多くの麻雀ファンや関係者に大きな衝撃と悲しみを与えました。
ここでは、前原雄大さんの死因・生い立ち・経歴・高校や大学・そして妻や子供といった家族の情報について、詳しくまとめていきます。
前原雄大の訃報と死因について
日本プロ麻雀連盟は、公式発表で「日本プロ麻雀連盟 常任理事 前原雄大 儀 去る10月12日 68歳にて逝去致しました」と報告しました。
通夜および告別式は近親者のみで執り行われたとのことです。
また、前原さんがかつて所属していた**「KONAMI麻雀格闘倶楽部」**も公式Xで追悼コメントを発表し、
「前原雄大プロ(九段)が、去る2025年10月12日にご逝去されました。チームのために多大なるご尽力を賜りました。心よりご冥福をお祈り申し上げます」と綴りました。
死因については、公式発表では明らかにされていませんが、近年は体調不良が続いていたとされており、2025年9月18日には「体調不良によるA1リーグ出場辞退」が発表されていました。
したがって、長引く病気の影響によるものとみられています。
前原雄大の生い立ち
前原雄大さんは1956年12月19日生まれ、東京都府中市出身です。
幼少期から知的好奇心が旺盛で、母親が偶然買ってきた麻雀雑誌『近代麻雀』(竹書房)を読んだことがきっかけで、麻雀の世界に興味を持つようになります。
当時はまだ麻雀が「遊び」としての印象が強かった時代ですが、前原さんはその中で**「競技麻雀」という知的な世界に魅了された**といいます。
前原雄大の高校・大学時代
出身高校については公には明らかにされていませんが、早稲田大学に進学したことが分かっています。
早稲田在学中の20歳のとき、後に彼の人生を大きく変える人物、古川孝次プロと出会います。
この出会いが、彼のプロ麻雀人生の幕開けとなりました。
当時から前原さんは冷静な読みと大胆な攻めを併せ持つプレースタイルで知られ、学生の間でも一目置かれる存在だったそうです。
麻雀プロとしての歩みと功績
大学卒業後、1981年3月に結婚し、夫婦で雀荘を経営していた前原雄大さん。
その直前に日本プロ麻雀連盟設立の話を耳にしていましたが、当初は「自分はプロに向いていない」と感じ、入会を辞退しています。
しかし同年9月、連盟に研修制度が創設された際、研修初日に声をかけられたことがきっかけで参加。
3年の研修生生活を経て、ついに正式なプロ雀士としてデビューを果たしました。
プロとしての転機と成長
1989年、月刊プロ麻雀誌からエッセイ「勝手にしやがれ」の連載を依頼された際、作家・伊集院静さんから「雄大」という芸名を授かります。
伊集院さんからの「男は舐められて一人前」という言葉を胸に刻み、若い頃の攻撃的な性格から一転、
その後は社交的で温かみのある人柄として多くの後輩たちに慕われる存在となりました。
タイトル獲得歴と偉業
前原雄大さんは、麻雀界で輝かしい実績を残しています。
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1995年:鳳凰位初獲得
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2007~2009年:十段位を3連覇し、通算5度目の制覇。永世十段位の称号を得る
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2008年:鳳凰位を2度目の獲得
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2015年:第31期A2リーグで2位となり、A1リーグ再昇格
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2017年:61歳で第33期鳳凰位
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2018年:62歳で第34期鳳凰戦連覇
まさに「長年トップを張り続けた不屈の雀士」でした。
Mリーグでの活躍と引退
2018年に発足したMリーグでは、KONAMI麻雀格闘倶楽部から3位指名を受けて参戦。
当時、参加選手の中で唯一の**「孫を持つMリーガー」**としても話題になりました。
シニア世代でありながらも、若手たちに引けを取らない技術と経験で、多くの名勝負を繰り広げました。
2021年の「KONAMI麻雀格闘倶楽部感謝祭」ではチーム卒業を発表し、長年の功績を称えられました。
その後もリーグ戦に復帰するなど精力的に活動していましたが、近年は体調不良によりA1リーグを辞退し、静かに療養していたようです。
妻や子供、家族について
1981年に結婚した前原雄大さんには、妻と子供、そして孫もいることが知られています。
Mリーグ参戦当時、「唯一の孫持ちMリーガー」として報じられており、家族をとても大切にしていた人物でした。
特に妻の存在は大きく、若い頃の雀荘経営も夫婦で二人三脚で行っていたといいます。
公の場では多くを語らなかったものの、家庭では穏やかでユーモアあふれるおじいちゃんとして家族に愛されていたそうです。
麻雀界に与えた影響と人柄
前原さんは、単なる「勝負師」ではなく、麻雀界の文化や精神を次世代に継承した人物としても高く評価されています。
多くの若手プロから「厳しくも優しい師匠」「誰にでも公平な人」と慕われていました。
また、ファンとの距離も近く、SNSやイベントでも気さくに対応する姿が印象的でした。
伊集院静氏との交流を通じて形成された「人を大切にする哲学」は、晩年まで一貫していました。
まとめ:麻雀界に残した永遠の遺産
前原雄大さんは、昭和・平成・令和という3つの時代をまたいで麻雀界を支え続けたレジェンドでした。
68年の生涯を通して、彼は「勝つこと」だけでなく、「麻雀を通して人を育てる」ことを大切にしてきました。
その温かさと誠実さは、多くの人の心に深く刻まれています。
ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
【前原雄大さん プロフィールまとめ】
項目 | 内容 |
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名前 | 前原雄大(まえはら ゆうだい) |
生年月日 | 1956年12月19日 |
出身地 | 東京都府中市 |
所属 | 日本プロ麻雀連盟(常任理事・九段) |
学歴 | 早稲田大学卒 |
結婚 | 1981年(妻・子・孫あり) |
主なタイトル | 鳳凰位・十段位・永世十段位 |
所属チーム | KONAMI麻雀格闘倶楽部(2018–2021) |
逝去日 | 2025年10月12日(享年68歳) |
死因 | 体調不良による病死とみられる |
麻雀を通して「人としての生き方」を示した前原雄大さん。
その生涯は、今後も多くのプロ雀士やファンの心の中で語り継がれていくことでしょう。
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