2025年10月22日、広島市は、広島市安佐南区の回転寿司店でアニサキスを原因とする食中毒事件が発生したと発表しました。
市は運営会社に対し、当該店舗の一部営業禁止を命じるなど、再発防止に向けた厳しい対応を取っています。
今回の事件は、広島市内の回転寿司店で提供された「生さんまの握り」と「サーモン軍艦」が原因と特定されており、消費者にとっても生魚の安全管理の重要性を再認識させる事例となりました。
食中毒の発覚経緯
広島市によると、10月22日午後0時45分ごろ、市内在住の40代男性から、「体調不良で医療機関を受診したところ、内視鏡検査でアニサキスの虫体が摘出された」との報告がありました。
調査の結果、この男性は10月18日夜に回転寿司店を利用しており、翌19日未明から吐き気や胃痛などの症状を発症していたことが判明
幸い、入院は不要で、現在は回復傾向にあるとのことです。
広島市保健所は、症状の発生時期や潜伏期間から、回転寿司で提供された鮮魚介類が原因であると特定しました。
原因となった料理と調理法
今回の食中毒の原因となった料理は以下の通りです。
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生さんまの握り
秋の味覚として人気のあるさんまですが、腹部や内臓にアニサキスが寄生していることがあります。生で提供される場合は、十分な冷凍処理や加熱処理が必要です。 -
サーモン軍艦
サーモンもアニサキスの寄生が確認されやすい魚の一つです。軍艦として提供される際に加熱や冷凍が行われていない場合、食中毒のリスクが高まります。
広島市保健所によると、これらの鮮魚介類は提供までの過程で冷凍や加熱処理が行われていなかったとのことです。そのため、市は当該店舗に対して以下の指示を出しました。
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冷凍品を除く生食用鮮魚介類の調理・販売禁止
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衛生管理体制の見直し
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食材の仕入れや保管方法の改善
これにより、同様の事故の再発防止が期待されています。
アニサキスとは?
アニサキスは、主にサバ、イワシ、サンマ、サケなどの魚介類に寄生する線虫です。人間が生魚や加熱不十分の魚を摂取すると、胃や腸に侵入し、以下のような症状を引き起こします。
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激しい腹痛
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吐き気や嘔吐
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発熱(稀に)
症状は通常、食後数時間以内に現れ、内視鏡で虫体を摘出することで症状はほぼ解消します。また、**加熱(60℃以上)や冷凍(-20℃以下で24時間以上)**で死滅するため、予防が可能です。
広島市安佐南区の回転寿司はどこ?
広島市安佐南区には複数の回転寿司チェーンがあり店の名前や場所は特定されていません。
広島市安佐南区内にある店舗は以下の通りです
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すし辰 緑井本店
〒731-0103 広島県広島市安佐南区緑井5丁目12-3 -
すし辰 西風新都店
〒731-3131 広島県広島市安佐南区大塚西1丁目12-10 -
くら寿司 広島祇園店
〒732-0067 広島県広島市安佐南区祇園1丁目18-20 -
くら寿司 ラクア緑井店
〒731-0103 広島県広島市安佐南区緑井5丁目22-1 ラクア緑井3F -
スシロー 広島古市店
〒731-0123 広島県広島市安佐南区古市2丁目19-1 -
はま寿司 広島八木店
〒731-0101 広島県広島市安佐南区八木2丁目2-3
消費者は、利用時に生魚の安全管理や加熱・冷凍の有無を確認することが推奨されます。
回転寿司でのアニサキス食中毒を防ぐ方法
アニサキス食中毒は、消費者と店舗の双方の注意によって予防可能です。
1. 冷凍・加熱の徹底
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魚は**-20℃で24時間以上冷凍**する
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加熱する場合は60℃以上を目安にする
2. 目視での確認
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魚を切る際にアニサキスがいないか目視で確認
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特に腹部付近や内臓周辺に注意
3. 信頼できる店舗の選択
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衛生管理がしっかりしている店舗を選ぶ
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「冷凍済み」「加熱済み」と表示されている商品を利用
4. 異変を感じたら医療機関へ
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食後に強い胃痛や吐き気があればすぐに受診
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内視鏡で虫体を摘出することで症状は改善されます
今回の事件からの教訓
広島市安佐南区で発生した今回のアニサキス食中毒事件は、回転寿司での生魚提供に潜むリスクを改めて示しました。特に、秋のさんまやサーモンなどは寄生虫が多く、消費者も店舗も慎重な取り扱いが必要です。
広島市は、市民に対して以下の点を呼びかけています。
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生魚を食べる場合は、冷凍済みまたは加熱済みのものを選ぶ
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食後に激しい腹痛や吐き気がある場合は、早期に医療機関で内視鏡検査を受ける
まとめ
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広島市安佐南区の回転寿司店で、生さんまとサーモン軍艦が原因のアニサキス食中毒が発生
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被害者は40代で、吐き気や胃痛を発症したが、入院不要で回復
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広島市保健所は、当該店舗に生食用鮮魚介類の調理・販売禁止を命令
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アニサキスは冷凍・加熱で死滅するため予防可能
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消費者は生魚の安全性や店舗の衛生管理を確認することが重要
今回の事件は、回転寿司における鮮魚の安全管理の重要性を改めて示すものです。消費者も十分な注意を払いながら、安心して食事を楽しむことが求められます。
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